「何でもやります」の税理士は選ばれない。集客はホームページ3か所の見直しから
あなたのサイトの状況に合わせて、進め方や費用感をその場で整理します。
この件を相談する先に結論から書きます。税理士事務所の集客でつまずいているなら、新しい集客方法を増やす前に、やることが一つあります。専門を一つに絞って、その専門で困っている人に向けて、今あるホームページを書き直すことです。これだけで、問い合わせの数と質が変わることがあります。
理由はシンプルです。顧問先を探している人は、「税理士」を探しているのではなく、「自分の悩みを分かってくれそうな税理士」を探しているからです。ところが多くの事務所のホームページは「法人から個人まで幅広く対応します」と書いてある。これでは、誰の心にも引っかかりません。この記事では、集客方法を10個並べる代わりに、この一点を、事務所が自分の手で直せるところまで具体的に説明します。
なぜ「何でもやります」の事務所は選ばれないのか
たとえば、こんな2つの事務所があったとします。同じ地域、同じくらいの料金、どちらも真面目で腕は確かです。
A事務所のホームページ:「法人・個人を問わず、幅広い税務にご対応します。まずはお気軽にご相談ください。」
B事務所のホームページ:「豊中市の、個人事業とひとり社長の会社専門。創業したばかりの方から、確定申告に追われている方まで、少人数の事業をまるごとお手伝いします。」
飲食店を始めたばかりの人が両方を見たら、どちらに問い合わせるでしょうか。多くの人はB事務所を選びます。「自分のような小さな事業のことを分かってくれそう」と感じるからです。A事務所は何でもできると書いているのに、かえって「自分のことは分かってもらえないかもしれない」と思わせてしまう。ここに、集客がうまくいかない事務所の共通点があります。
専門を絞ると「お客さんを狭めてしまうのでは」と不安になるかもしれません。ですが実際には逆で、絞ったほうが、その分野の人からの問い合わせは増えます。全員に向けた言葉は、結局誰にも届かないのです。
まず、あなたの事務所の「一言の専門」を決める
専門といっても、新しく資格を取る必要はありません。すでにある顧問先の顔ぶれや、自分が得意な場面を思い出すだけで見つかります。次のように考えてみてください。
- 今の顧問先で、いちばん多い業種や規模はどこか(飲食店が多い、ひとり社長が多い、など)
- 相談されて「これは得意だ」と感じるのはどんな場面か(創業したて、相続、法人成り、など)
- 逆に、気が進まない・時間ばかりかかる仕事はどれか(それは専門から外していい)
これで、「◯◯が専門」の◯◯が見えてきます。たとえば「創業して3年以内の、ひとり社長の会社が専門」「飲食店の会計と資金繰りが得意」「相続にしぼって対応」といった具合です。無理に一つに絞りきれなくても、ホームページの一番目立つ場所で打ち出す看板を一つ決めれば十分です。ほかの仕事を断る必要はありません。あくまで「入口の看板」を一つにする、ということです。
なお、「専門」という言い方が強すぎると感じるときや、税理士会などの広告についての考え方が気になるときは、「◯◯を得意としています」「◯◯に力を入れています」といった書き方でもかまいません。大切なのは言葉の強さではなく、誰に向けた事務所かがひと目で伝わることです。
その看板で、ホームページの3か所だけ書き直す
専門が決まったら、サイト全体を作り直す必要はありません。効くのは次の3か所です。ここだけ書き直せば、印象は大きく変わります。
1. トップページの一番上の見出し
訪れた人が最初に目にする一文です。ここが「税理士事務所です」だけだと、何も伝わりません。専門と地域を入れて書き直します。
書き直す前:「◯◯税理士事務所 誠実・丁寧をモットーに」
書き直した後:「豊中市で、ひとり社長の会社を専門にする税理士事務所です。創業から確定申告まで、少人数の事業をまるごと見ます。」
誰のための事務所かが、ひと目で分かるようになりました。
2. 料金の見せ方
士業のサイトで、いちばん問い合わせを左右するのが料金です。載っていないと、多くの人は「高そう」「聞くのが怖い」と感じて離れます。ぴったりの金額でなくてかまいません。目安を幅で見せるだけで、安心して問い合わせできるようになります。
書き直す前:「料金はお問い合わせください」
書き直した後:「顧問料の目安:月1万円台から(事業の規模とご希望に応じてお見積もりします)。確定申告のみのご依頼も承ります。」
もちろん、金額はご自身の実際の料金に置き換えてください。金額を出すことに抵抗があるかもしれませんが、目安があるだけで「この事務所は話が早そうだ」という印象につながります。
3. 無料相談・初回面談の一言
問い合わせのハードルを下げる一文です。多くの人は「いきなり契約を迫られたら嫌だな」と身構えています。その不安を先に取り除きます。
書き直す前:「お問い合わせはこちら」
書き直した後:「初回のご相談は無料です。契約前提ではありません。今の困りごとを聞かせてください。」
この一言があるだけで、問い合わせボタンを押す人の数が変わってきます。
「地域+専門」で見つけてもらう
ホームページを直したら、次は見つけてもらう番です。小さな事務所がまず手をつけるべきは、大がかりな広告ではなく、地図の対策です。Googleで「豊中市 税理士」「豊中 相続 税理士」のように調べる人に、事務所を表示させる取り組みで、一般にMEO(地図検索対策)と呼ばれます。
やることは、Googleビジネスプロフィールという無料の登録に、事務所の情報と得意分野を正しく入れておくことです。たとえば「事業内容」の欄に、「豊中市 ひとり社長の会社の税務が得意」のように、地域と看板をそのまま書いておきます。手順は別の記事にまとめているので、あわせて読んでみてください(Googleビジネスプロフィールの登録方法)。ホームページ側にも、地域名と得意分野を自然な文章の中に入れておくと、検索で見つけてもらいやすくなります。ただし、同じ言葉を不自然に繰り返すのは逆効果なので、あくまで読む人に分かりやすい文章の範囲で、です。
繁忙期は「得意分野の入口」にする
確定申告の時期は、税理士事務所にとって一番忙しい季節であると同時に、新しい見込み客が動く季節でもあります。この時期に、専門に沿ったお知らせを自分で出せると、集客の入口になります。
たとえば、こんな告知です。
「【確定申告のご相談を受付中】個人事業の方の確定申告を承っています。『何から手をつければいいか分からない』段階でのご相談も歓迎です。初回相談は無料です。」
こうしたお知らせやブログは、その都度制作会社に頼んでいては、旬を逃してしまいます。お知らせ欄だけは自分で更新できる形にしておくのがおすすめです。ホームページを頼むときに「お知らせは自分で追加できるようにしてほしい」と伝えておけば、繁忙期に業者を待たずに告知を出せます(自分で更新できる仕組みについてはこちらの記事で詳しく説明しています)。繁忙期が終わったら、古い告知は「受付は終了しました」に更新するか下げておくと、サイトが放置されている印象になりません。
マーケ会社に丸投げする前に
集客を専門の会社に任せるのも、一つの方法です。ただ、その前に知っておいてほしいことがあります。「あなたの事務所の専門は何か」を言葉にする作業は、外注できません。ここは、日々顧問先と向き合っている税理士本人にしか分からないからです。
ホームページの土台づくりや、検索対策の細かい設定は、プロに任せてかまいません。税理士の1時間は、本来もっと単価の高い顧問業務に使うべき時間です。でも、「誰の、どんな悩みを解決する事務所なのか」という中身の一言だけは、自分で決める。そこさえ固まっていれば、外注しても軸のぶれない集客になります。
もし、「専門をどう絞ればいいか」「今のホームページのどこから直せばいいか」で迷ったら、クリートークのチャットで相談してもらってもかまいません。ホームページを作り直すと決めていない段階でも、依頼先が決まっていなくても大丈夫です。今の困りごとを聞かせてもらえれば、一緒に整理するお手伝いができます。
まとめ
集客方法をたくさん増やす前に、まず看板を一つに絞って、その相手に向けてホームページを書き直す。効くのはトップの見出し・料金の見せ方・無料相談の一言の3か所だけです。「何でもやります」をやめて、「これが得意です」と言い切る勇気が、小さな事務所が選ばれるための最初の一歩になります。
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