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ホームページ作成費用は資産計上?経費? 分かれ目と、見積書で先にやっておくこと

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クリートーク 編集部
2026年7月27日 公開 ・ 16分で読める
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あなたのサイトの状況に合わせて、進め方や費用感をその場で整理します。

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ホームページの作成費用の請求書が届いたあと、「これは経費で落としていいのか、それとも資産に計上して何年かに分けるのか」で手が止まる方は多いです。金額が大きいほど、その年の利益にも税額にも響きます。

先に結論

小さな会社やお店が普通のホームページを作った場合、支出した年度の経費(広告宣伝費)として処理するのが実務上の出発点になります。資産に計上して何年かに分けることを検討するのは、次の2つのどちらかに当てはまるときです。

  • プログラムが組み込まれている:予約システム、会員ログイン、ショッピングカート、絞り込み検索など。その部分は「ソフトウェア」として扱われることがあります
  • 内容を更新しないまま1年を超えて使う:作りっぱなしの会社案内サイトなどが該当しうる考え方です

ここで先に誤解をひとつ解いておきます。金額の大小は、経費か資産かの分かれ目ではありません。機能が入っていない見せるだけのサイトなら、100万円かかっても広告宣伝費のままになりえます。10万円や40万円といった区切りが出てくるのは、上の2つに当てはまって「資産として扱う」と決まったあと、その資産をどう費用にしていくかを選ぶ場面です。ここを取り違えると「60万円もしたから資産計上だろう」と逆向きの判断をしてしまいます。

そして、この2つに当たるかどうかを判定するには、見積書や請求書の内訳が分かれている必要があります。「ホームページ制作一式 60万円」の1行だけでは、税理士も判定のしようがありません。この記事でいちばんお伝えしたいのは、実はここです。処理を悩む前に、内訳を分けてもらってください。着手前ならお願いしやすく、支払い後だと聞き直しになります。

なお、最終的な判断は顧問税理士か所轄の税務署に確認してください。この記事は「税理士に相談するときに、何を持っていけば話が早いか」を整理するためのものです。

「原則は経費」の根拠は、今は国税庁のサイトで見られない

ホームページの会計処理を調べると、「国税庁が原則として支出時の損金(=その年度の経費として、税金の計算上も差し引ける支出)と示している」という説明に何度も出会います。これは長く実務の拠りどころになってきた考え方ですが、事情を知らないまま引用すると足をすくわれます。

もとになっているのは、かつて国税庁のサイトに掲載されていた質疑応答事例「ホームページの制作費用について」です。趣旨は、ホームページは企業や新製品のPRのために作られ内容が頻繁に更新されるものだから、支出の効果が1年以上には及ばないと考えられ、原則としてその支出時の損金として扱うのが相当である、というもの。あわせて、内容が更新されないまま使用期間が1年を超える場合には、その使用期間に応じて償却する、とされていました。

ところがこの質疑応答事例は、すでに国税庁のサイトから削除されています。いつ消えたのかを調べた税理士事務所の記事(栗原會計事務所)では、国立国会図書館のウェブアーカイブ(WARP。過去の時点のウェブページを保存している公的な仕組み)を使い、2016年2月時点の保存ページにはこのQ&Aがあり、3月時点では見られなくなっていることを確認したうえで、消えたのは2016年2月から3月の間と考えられる、としています。国税庁から削除の告知が出たわけではないので、時期の特定はこの検証によるものです。

ではこの考え方はもう通用しないのか、というと、そうとも言い切れません。専門誌『週刊T&A master』(ロータス21編集・発行/新日本法規出版発売)の2023年11月20日号・No.1004は「国税庁サイトから消えたHP制作費用」としてこの件を取り上げ、削除後も課税当局が従来どおりの取扱いを維持していることを確認した、と報じています。2023年時点の取材にもとづくものですが、削除=方針転換ではなかったことを示す材料です。

つまり現状は、「昔の国税庁の考え方が、条文や通達に置き換わらないまま、実務の慣行として引き継がれている」という状態です。取扱いが急に変わったわけではないけれど、公表された文書を指さして「ここに書いてあります」とは言えません。だから解説サイトによって微妙に説明が違いますし、「国税庁が言っているから大丈夫」と胸を張れる状態でもありません。ここは、あとで税理士に確認する前提で読み進めてください。

一方で、いま現在も国税庁のタックスアンサーで確認できる記載もあります。No.5461「ソフトウエアの取得価額と耐用年数」には、ソフトウェアの耐用年数について「複写して販売するための原本または研究開発用のものについては、3年」「その他のものについては、5年」と示されています。自社で使うホームページの機能部分がソフトウェアとして扱われる場合、この「その他のもの=5年」のほうを見ることになります。

資産計上を検討することになる2つのパターン

1. 予約・会員・カートなど「動く機能」が入っている

もっとも分かりやすい分かれ目がここです。会社案内やメニュー紹介のように、見せるだけのページであれば経費側の話になりやすいところです。一方で、次のような機能が入ると、その部分は「ソフトウェア」(無形固定資産。形はないけれど資産として扱うもの)として資産に計上し、数年かけて費用にしていく対象になりえます。

  • ネット予約、来店予約のカレンダー
  • 会員登録・ログイン・マイページ
  • ショッピングカート、オンライン決済
  • 条件を指定して絞り込む検索機能、物件・在庫の検索
  • 会員向けの限定コンテンツ配信

ここで多くの方が引っかかるのが、「WordPressで自分で更新できるようにした」はどちらなのかという点です。ブログ機能やお知らせ投稿ができるだけの一般的なCMS(自分で文章や写真を差し替えられる仕組み)の導入は、既製品の設定作業に近い性質のもので、独自にプログラムを開発したケースとは実態が異なります。ただし、これは「明快な線引きが公表されている」という話ではありません。判断が割れやすいところなので、後述する見積書の内訳をそろえたうえで税理士に見てもらうのが確実です。

2. 更新しないまま1年を超えて使う

削除された質疑応答事例の考え方によれば、「更新されるからこそ効果は1年で切れる」という理屈です。裏を返すと、作ったあと一度も手を入れずに何年も置いているサイトは、その理屈が通らなくなります。

このパターンで出てくるのが「繰延資産」(支出の効果が何年かに及ぶものを、いったん資産として置いて、その期間に分けて費用にしていく扱い)という言葉です。注意したいのは償却期間で、元の記載は「その使用期間に応じて償却する」であり、前の章に出てきたソフトウェアの5年とは別の話です。3年使うつもりなら3年で按分する(等分に割り振る)、という考え方になります。機能が入っているから5年、更新しないから5年、と混ぜてしまわないでください。なお、繰延資産として扱うか長期前払費用という科目で処理するかは実務でも割れるところなので、そこは税理士の判断に委ねて構いません。

そして会計の都合を抜きにしても、更新しないサイトはもったいないと感じます。営業時間も、料金も、担当者の名前も、去年のまま表示されている状態です。それを見たお客さんは、電話をかける前に迷います。年に数回でも手を入れる前提でサイトを持つほうが、税務上の整理としても、集客としても素直です。

金額の区切りが出てくるのは「資産と決まったあと」

上の2つに当てはまって資産として扱うことになった場合、はじめて金額による選択肢が出てきます。よく登場する区切りは3つです。

  • 10万円未満:使いはじめた年度に全額を費用にできます
  • 20万円未満:一括償却資産(金額の小さい資産をまとめて3年間で均等に費用にする方法)という選択肢があります
  • 40万円未満(2026年4月1日以後に取得したもの。それ以前の取得は30万円未満):中小企業者等の少額減価償却資産の特例(一定の要件を満たす中小企業が、少額の資産をその年度に全額費用にできる制度)。青色申告(帳簿をきちんとつける代わりに税制上の優遇を受けられる申告方法)であることなどが要件で、年間の合計額は300万円までという上限もあります

3つ目の特例には、ちょうど改正の境目をまたいだ直後という注意点があります。これまで長く「30万円未満」だった上限が引き上げられ、2026年4月1日以後に取得したものからは40万円未満が対象になりました。あわせて、対象となる会社の要件は常時使用する従業員数500人以下から400人以下へと狭まり、適用期限は2029年3月31日までとされています。つまり金額の枠は広がり、対象となる会社の範囲は少し絞られた、という改正です。

ここで気をつけたいのが、国税庁のタックスアンサー(No.5408)の表示が改正に追いついていない場合があることです。2026年7月時点で確認したところ、同ページには改正前の「30万円未満」「500人以下」の記載が残っていました。公式ページを見て安心する、という順番だと古い情報をつかむおそれがあるので、自社の決算期にどちらが適用されるかは税理士に確認してください。取得日が2026年3月なのか4月なのかで扱いが変わるため、境目にかかる時期の発注では、契約日や引き渡し日が数日ずれるだけで結論が動くこともあります。

もうひとつ細かい話を。10万円や40万円といった判定を税込金額で見るか税抜金額で見るかは、その会社が採用している経理方式によって変わります。税抜経理なら税抜で、税込経理なら税込で判定するのが基本です。境目ぎりぎりの金額のときは、ここで結論がひっくり返ることがあります。

勘定科目は「1本の見積書」では決まらない

ホームページまわりの支払いは、実際には性質の違うものが混ざっています。それを1つの勘定科目に押し込もうとするから難しくなるのであって、中身ごとに分けてしまえば、それぞれは特別な話ではありません。おおまかな見取り図はこうなります。

  • デザイン・原稿・写真・ページ制作:広告宣伝費として支出時の費用にする流れが基本
  • 予約・会員・カートなどの機能開発:ソフトウェアとして資産計上し、耐用年数に応じて費用にしていく
  • サーバー代・ドメイン代:通信費や支払手数料など、毎年の費用
  • 保守・運用の月額:支払手数料や外注費など、毎月の費用
  • SSL証明書、フォームや解析ツールの利用料:毎年・毎月の費用

仕訳としては、たとえば制作費40万円を広告宣伝費で処理するなら「広告宣伝費 400,000/普通預金 400,000」の一行で終わります(左が増えた費用、右が出ていったお金)。機能部分が資産になるなら、支払った時点でいったん「ソフトウェア」として資産に載せ、決算のときに減価償却費(資産の価値を使う年数で割って、毎年少しずつ費用にしていくときの科目)として少しずつ費用に振り替えていきます。

サーバー代を年払いにしていて契約期間が決算月をまたぐ場合は、翌期にあたる分を前払費用(先に払ったけれど、まだサービスを受けていない分を、いったん資産として置いておく科目)として扱う処理が出てきます。会計ソフトに機能があるので、契約期間が分かる書類さえ残しておけば大丈夫です。

ここから先の実際の入力は、会計ソフトか税理士の領分です。経営者側が押さえておくべきなのは、「勘定科目を決めるのに必要な情報は、経理ではなく制作会社側にある」という一点です。

ネットショップは、作り方で経理の姿がまるごと変わる

ホームページのなかでも、金額が大きくなりやすく、性質も混ざりやすいのがネットショップです。しかも「どう作るか」の選択肢が3つあり、それぞれ会計上の見え方が違います。

  • 自社サイトにカートを作り込む:商品ページのデザインや写真は制作費、カート・決済連携・受注や在庫の管理といった開発部分はソフトウェアに寄る部分、と分かれます。金額も大きくなりやすく、資産計上の検討がもっとも現実味を帯びるパターンです
  • ShopifyやBASEなどのサービスを使う:開発ではなく、利用料と決済手数料が中心になります。サービスによって月額がかかるものと、月額0円で売れた分の手数料だけというものがあります。いずれも毎月の費用として処理する形が素直で、資産計上を悩む場面は減ります。ただしデザインのカスタマイズを外注した分は、別途その費用として出てきます
  • 楽天市場やAmazonなどのモールに出店する:出店料や販売手数料は制作費ではなく、支払手数料などの毎月の費用です。自社サイトの制作費とは切り離して考えます

同じ「ネットショップを始める」でも、1つ目は資産の話になりうるのに対し、2つ目3つ目はほぼ毎月の費用です。売上の立て方を決めた時点で、帳簿の姿もあらかた決まっている、ということになります。1つ目を選ぶなら、カート・決済・在庫管理まわりがいくらなのかは、あとで必ず必要になる情報です。

掲載社の料金表を、会計処理の目で眺めてみる

クリートークでは、ホームページ制作会社の情報を集めて掲載しています。2026年7月時点でデータベースに登録があるのは1,307社、そのうち掲載を公開している状態の会社が823社です。この823社のうち、自社サイトに料金を掲示していて、こちらでプラン名と価格の対応まで拾えたのが416社でした(「◯万円〜」の一行だけで内訳が読めないものは、この416社に含めていません)。以下の数字は、すべてこの416社を分母にしています。

料金表の組み立て方で分けると、こうなりました。

  • 一括の制作費と月額の両方を掲げている:131社
  • 一括の制作費のみ:131社
  • 月額のみ(まとまった制作費の掲示がない):86社。制作費込みのサブスク型や、初期費用0円をうたうタイプです
  • 残る68社は、掲載内容からどちらとも読み取れませんでした

会計処理の悩みが起きやすいのは、一括の制作費が発生する上の2つ、合わせて262社のほうです。月額のみの86社なら、毎月の利用料として処理するのが素直で、資産計上するかどうかで頭を悩ませる場面はそもそも生まれにくくなります。416社中86社ですから数のうえでは少数派ですが、依頼先の料金の組み立て方によって、あとの経理の手間が変わってくるのは確かです。

また、料金表のなかに「保守」「運用」「管理費」「サポート」といった項目名の行を別に設けている会社は、416社中166社(4割弱)ありました。制作費とは別に毎月かかり続けるお金があることを、料金の段階から示しているタイプです。これは会計上も、制作費とは別の科目として扱う部分になります。

では一括型はいくらからなのか。上の262社(一括の制作費を掲げている全社)について「いちばん安いプランの制作費」を拾い、金額帯で分けるとこうなりました。区切りは、前の章で出てきた10万円・20万円・40万円に合わせています。

  • 10万円未満:77社
  • 10万円以上20万円未満:66社
  • 20万円以上40万円未満:73社
  • 40万円以上100万円未満:36社
  • 100万円以上:10社

262社中216社、およそ8割が40万円未満から始まる設定でした。ここで大事な注意があります。これは「掲示されている最低価格」であって、実際の契約額ではありません。ページを追加し、写真撮影を入れ、原稿を書いてもらえば、最低価格を大きく超えることは珍しくありません。ご相談を受けていて感じるのも、最初に見た金額のまま着地するケースのほうが少ない、ということです。表に出ている数字は入口の額だと思って見てください。

それでもこの分布から言えることはあります。小さな会社やお店の発注では、金額が10万円や40万円といった区切りをまたぐかどうかの瀬戸際になりやすいということです。だからこそ、後から「いくらだったか」ではなく、契約前に「何にいくらか」を分けておく意味があります。

見積書の内訳を先に分けてもらう

ここまでの話を、ひとつの行動にまとめるとこうなります。制作会社に見積もりを頼むとき、あるいはもう見積書が手元にあるなら、次のように内訳を分けてもらってください。

  • デザイン・ページ制作の費用
  • 原稿執筆、写真撮影の費用
  • 予約・カート・会員機能など、プログラム開発にあたる部分の費用(該当がなければ「なし」と書いてもらう)
  • WordPressなどCMSの導入・設定の費用
  • ドメイン取得費、サーバー費用(初年度分と、翌年以降の年額)
  • 公開後の保守・運用の月額

依頼のメールは、丁寧に書こうとして長くなりがちですが、この程度で十分伝わります。

「お見積りの件、ありがとうございます。恐れ入りますが、経理処理の都合で内訳を分けていただけますでしょうか。とくに、予約機能などプログラムの開発にあたる部分がいくらか、ドメイン・サーバー費用がいくらかが分かる形だと助かります。該当がない項目は『なし』で構いません。」

内訳を分けること自体は、多くの制作会社にとって難しい依頼ではありません。もともと社内では項目ごとに工数を積んで見積もりを作っていることが多く、それを表に出すかどうかの違いだからです。断られた場合は理由を聞いてみてください。「一式でしかお出しできません」という回答が返ってくるなら、それは費用の話だけでなく、進め方の透明性を測る材料にもなります。

具体例で見てみます。たとえば、名古屋市で内装工事をしている従業員6名の会社が、施工事例を載せるサイトを作るとします。届いた見積書が「ホームページ制作一式 580,000円」の1行だと、税理士は「これは全部経費でいいのか、機能部分があるのか」を判断できません。ところが同じ内容でも、「デザイン・8ページ制作 380,000円/原稿・撮影 120,000円/施工事例の絞り込み検索機能 60,000円/ドメイン・サーバー初年度 20,000円」と分かれていれば、話は一度で終わります。金額も期日も同じなのに、内訳があるかないかだけで、そこから先の手間が変わります。

税理士に聞くときに持っていく3点

顧問税理士がいるなら、次の3つをまとめて渡せば、たいてい一度のやりとりで結論が出ます。

  • 内訳が分かれた見積書か請求書(上でお願いした形のもの)
  • サイトに入っている機能の一覧。「予約フォームあり」「会員ログインなし」「ブログは自分で更新できる」といった箇条書きで構いません
  • 今後の更新の予定。「月1回はお知らせを更新する」「施工事例を随時追加する」など。更新するかどうかは、1年を超えて使うかという論点に直結します

顧問税理士がいない場合は、所轄の税務署の相談窓口でも一般的な取扱いは聞けます。この3点をそろえてから行くほうが、はるかに具体的な答えが返ってきます。

よくあるつまずき

  • リニューアル費用:既存サイトの作り直しは、見た目や文章を刷新しただけなのか、新しい機能を足したのかで見方が変わります。ここでも内訳が要ります
  • 途中で機能を追加した:制作後に予約機能を足した場合、その追加分だけを切り出して考えることになります。追加のたびに請求書の内訳を残しておいてください
  • サーバーの年払い:決算月をまたいで契約している場合、翌期に対応する分の扱いが出てきます。契約期間が分かる書類は保管しておきましょう
  • 自社で作った・無料ツールで作った:外注費が発生していなくても、有料テンプレートの購入費、写真素材の購入費、ドメイン・サーバー代は経費です。クレジットカードの明細に埋もれがちなので、領収書やダウンロード請求書を残しておいてください
  • 個人事業主の場合:法人と考え方の骨格は同じですが、少額の資産に関する特例には青色申告であることなどの要件があります。白色申告の場合は使えない選択肢があるので、そこは分けて確認してください

会計の都合で、作りたいものを削らないこと

最後にひとつ。「資産計上になると面倒だから予約機能はやめておこう」というのは、順番が逆です。予約機能で電話対応の手間が減り、取りこぼしが減るなら、それは会計処理の面倒さより優先されるべき話です。処理は税理士と会計ソフトが引き受けてくれます。

逆に、必要でもない機能を「せっかくだから」と足すのもおすすめしません。使われない機能は、資産として何年も帳簿に残り、保守の月額もかかり続けます。要るか要らないかで決めて、決まったあとの処理は内訳を分けて渡す。それだけで十分です。

なお、見積書の内訳をどう分けてもらうかや、自社の場合はどういう作り方が向いているかは、クリートークのチャットでも相談できます。税務の判断そのものは税理士に確認していただく前提ですが、「この見積書の書き方だと何が分からないか」「機能を足すなら発注の分け方をどうするか」といった、発注側の段取りの話はお答えできます。予算や依頼先が決まっていない段階でもかまいません。

まとめ

  • 普通のホームページ制作費は、支出した年度の経費(広告宣伝費)として扱うのが実務の出発点
  • 資産計上を検討するのは、予約・会員・カートなどのプログラム部分があるときと、更新しないまま1年超使うとき。金額の大小は分かれ目ではない
  • 10万円・20万円・40万円といった区切りは、資産として扱うと決まったあとに出てくる話。少額減価償却資産の特例は2026年4月1日以後の取得分から金額の枠が40万円未満に広がり、対象となる会社は従業員400人以下に狭まった。国税庁のページの表示が追いついていない場合がある
  • よく引かれる「国税庁の見解」は、もとの質疑応答事例がすでに削除されている。断定的な情報を信じ切らず、税理士に確認する
  • 判定に必要な情報は経理側ではなく制作会社側にある。着手前に見積書の内訳を分けてもらうのが、いちばん効く一手

出典として参照したもの:国税庁タックスアンサー No.5461「ソフトウエアの取得価額と耐用年数」、同 No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」、栗原會計事務所「国税庁Q&A『ホームページの制作費用について』はいつ消えたか?」(WARPの保存ページを対比した検証)、『週刊T&A master』(ロータス21編集・発行/新日本法規出版発売)2023年11月20日号・No.1004「国税庁サイトから消えたHP制作費用」。少額減価償却資産の特例の改正内容は令和8年度税制改正によるもの。掲載社の集計は2026年7月時点のクリートーク掲載データ(登録1,307社のうち公開状態の823社、うち料金の内訳を拾えた416社)を、料金表の項目名と価格表記から機械的に分類したものです。

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