ホームページの文章の例文集。業種別の書き換えとページ別テンプレ
あなたのサイトの状況に合わせて、進め方や費用感をその場で整理します。
この件を相談するホームページの文章が書けなくて手が止まっている、という相談はよくあります。多くの場合、文章力の問題ではありません。「何を聞かれているのか」がわからないまま、白紙に向かっていることが原因です。
先に結論です。ホームページの文章は、うまい言い回しを探すより、6つの質問に自分の言葉で答えて、それを並べ替えるほうが早く終わります。テンプレートは、その答えを流し込む器として使うものです。器から先に埋めようとすると、どこかで見たような文章になり、しかも自社のことが何も書かれていない、という状態になりがちです。
この記事では、その6つの質問と、業種ごとの「よくある書き方」と「直した書き方」の対比、ページごとに何をどれだけ書くかを載せています。制作会社に原稿を渡す前の確認までが範囲です。例文だけ先に見たい方は、3つ目の見出し「業種別・よくある書き方と、直した書き方」から読んでください。
その前に:文章は誰が書くことになるのか
意外と知られていないのですが、ホームページ制作を依頼しても、載せる文章はお客さん側が用意する前提になっていることが少なくありません。
クリートークに掲載中の制作会社386社について、紹介文・料金表・サービス説明の記載を機械的に数えたところ、次のような内訳でした(2026年7月時点、掲載情報の文言に基づく集計です)。
- 「撮影」に触れている会社:386社中93社
- 「ライティング」に触れている会社:386社中22社
- 「原稿」に触れている会社:386社中13社
あくまで掲載しているプラン説明の書き方を数えただけなので、書いていない会社が対応しないとは限りません。ただ、写真は撮りますと明示する会社に比べて、文章を書きますと明示している会社は少ない傾向は読み取れます。
もっとも、この集計はプラン説明の文言を数えたものなので、これだけで実務の実態は決められません。判断の材料になるのはむしろ見積書のほうで、「原稿はお客様支給」と小さく書かれていることが実際にあります。契約前の説明で文章の担当が曖昧なまま進むこともあります。文章は自分で書く場面もある、と身構えておいたほうが安全です。原稿が先にあれば、制作の待ち時間もその分は短くなるはずです。制作会社に相談する前から書き始めて損はありません。
白紙を埋める6つの質問
文章を書くのではなく、質問に答えてください。話し言葉の箇条書きで大丈夫です。
- 誰のための商売か:来てほしいお客さんを、年齢や職業ではなく「困っている状況」で書きます。例:「二世帯で住むために実家を建て替えたいが、親を説得できていない人」
- その人は何に困っているか:問い合わせの電話で最初に言われる言葉を思い出すと出てきます
- あなたは何をする人か:肩書ではなく作業の中身。「設計から施工まで自社で行う」など
- なぜあなたに頼むといいのか:他社の悪口ではなく、自分がやっていることの説明で書きます
- いくらで、どれくらいかかるか:幅で書けば十分です。「30万円〜(税別)」「初回相談から着工まで平均3か月」
- 次に何をしてほしいか:電話なのか、フォームなのか、来店なのか。ひとつに絞ります
この6つが埋まっていれば、あとは並べ方の問題です。逆に、ここが埋まらないまま文章を書き始めると、「地域に密着し、お客様に寄り添った家づくりをしています」のような、どの会社でも書ける一文になります。
業種別・よくある書き方と、直した書き方
実際にありがちな書き方を、上の6つの質問に照らして直すとどうなるかを並べます。以下、この記事に出てくる例文・社名・金額・件数はすべて説明のための架空のもので、実在の会社の実績ではありません。書き方の型として見てください。
工務店
よくある書き方:「お客様の理想の住まいを、丁寧な家づくりでカタチにします。地域密着で安心の施工。」
直した書き方:「豊中市を中心に、築30年以上の家の建て替えとリフォームをしています。営業担当は置かず、設計した者がそのまま現場の管理まで担当します。建て替えは1,800万円台(税込)からの実績が多く、初回相談から引き渡しまではおおむね10か月です。まず、今の家の不満を10分ほど聞かせてください。図面や見積りは、その後の話です。」
変えたのは、地域を市の名前まで下ろしたこと、担当の付き方という社内の事実を書いたこと、金額と期間の目安を出したこと、最初の一歩を軽くしたことです。「丁寧」「安心」は消しました。読み手が判断できる材料になっていないためです。
税理士事務所・士業
よくある書き方:「税務会計から経営支援まで、幅広くサポートいたします。お気軽にご相談ください。」
直した書き方:「個人事業と、社長ひとりの会社の税務を専門にしています。飲食店と美容室のお客様が多く、レジや予約システムの数字をそのまま会計に取り込む形にしているので、月末にまとめて領収書を送っていただく必要はありません。顧問料は月2万円(税別)からで、確定申告のみの依頼も受けています。」
士業のページでよく起きるのは、できることを全部書いた結果、誰向けなのかが消えるという現象です。相続も法人も個人も、と並べるより、多い順に2つ書いたほうが問い合わせは具体的になります。
美容室・サロン
よくある書き方:「くつろぎの空間で、あなただけの髪型をご提案します。」
直した書き方:「白髪染めと、伸ばしかけの髪の扱いが得意です。担当が最初から最後までひとりで付くので、施術中に他のお客様と入れ替わることはありません。ご新規の方はカット+カラーで9,000円前後(税込)、所要2時間ほどを見ておいてください。土曜の午後は混みますので、平日夕方が取りやすいです。」
混む時間帯のような、営業上マイナスに見える情報を書くと、かえって信用されることがあります。読み手は「自分が行ける店か」を判断したいだけだからです。
整体・治療院
よくある書き方:「根本改善を目指し、お一人お一人に合わせた施術を行います。」
直した書き方:「デスクワークの方の首と肩のご相談を受けることが多い院です。初回は、お困りの状況をうかがって体の動きを確認する時間を30分ほどいただき、その日のうちに施術もします。何回で終わるかは正直なところ症状によりますが、通う目安は初回にお伝えするようにしています。予約なしでも空いていれば受けられます。」
ひとつ注意があります。施術の効果に関する表現は、資格の有無や業態によって広告のルールに関わる場合があります。「治る」「必ず改善する」といった書き方は避けたほうが無難です。線引きに迷うときは、管轄の保健所や加入している業界団体に確認してから公開してください。
学習塾・教室
よくある書き方:「一人ひとりに寄り添う指導で、志望校合格をサポートします。」
直した書き方:「中学生の数学と英語だけを扱う塾です。1クラス6人までで、宿題は毎回その場で丸付けまで済ませて帰します。家で親が見なくていい形にしているつもりです。週2回で月18,000円(税込)、教材費は年に一度6,000円(税込)です。体験は2回まで無料で、入らないと決めていただいてもかまいません。」
塾や教室のページは、読むのが保護者で、通うのが子どもです。二人分の関心(費用と送迎の都合、教室の雰囲気)が要るぶん情報量が増えるので、料金は表に切り出してしまったほうが本文が軽くなります。
飲食店
よくある書き方:「厳選した食材を使い、真心込めてお作りしています。」
直した書き方:「昼は900円前後(税込)の定食、夜は3,000円ほど(税込)で飲んで食べられる小さな居酒屋です。カウンター8席とテーブル2卓の店なので、5名以上は前日までにご連絡ください。仕入れで内容が変わるため、日替わりの中身は当日の朝にインスタグラムに出しています。駐車場はありませんが、向かいのコインパーキングは1時間無料券をお渡しできます。」
店を探している側の立場で考えると、先に知りたいのは席数・駐車場・予約が要るか・今日やっているか、あたりではないでしょうか。そこに先に答えを置いておけば、同じことを電話で聞かれる場面も減っていくのではないかと思います。世界観を伝える文章は、その後ろで十分です。
ここまでの6例は、どれも同じ骨格でできています。業種を問わず使える基本形として、穴埋めにするとこうなります。以降のページ別の話でも、この基本形を使い回します。
- ①名乗り:[地域]の[誰向け]の[何屋]です
- ②引き受けていること:[よく頼まれること]を、[自社のやり方・体制]で受けています
- ③目安:[金額の目安(税込か税別かも書く)]、[期間や所要時間の目安]
- ④条件:[事前に知っておいてほしいこと](席数、駐車場、予約の要否、対応できない範囲)
- ⑤次の一歩:[最初にしてほしいこと]
ページごとに、何をどれくらい書くか
文章はページ単位で考えると量が読めます。以下は小さな会社・お店で多い5ページ構成を想定した目安です。文字数に公式の基準があるわけではなく、クリートークで小さな会社のサイトを見ながら置いた編集部の目安なので、「これ以上書いてはいけない」ではなく、足りているかの物差しとして使ってください。
トップページ
いちばん上に置く一文(キャッチコピー)と、その下の3〜4行だけが本体です。基本形の①をそのまま看板にし、②③⑤を下に3行で並べると考えてください。④の細かい条件は、ここでは出さずサービスのページに回します。
凝った言い回しは要りません。「大阪市旭区の、個人商店向けのホームページ屋です」で十分伝わります。上に載せる一文は、看板の文字だと思ってください。合計で200〜400字あれば形になります。
サービス・メニューのページ
サービスひとつにつき、次の4点を書きます。1サービス300〜600字が目安です。
- どんな人が申し込むか(申込者の状況)
- 何をするか(作業の中身を、専門語なしで)
- いくらか(幅・条件つきでも書く)
- どれくらいかかるか(期間、回数、所要時間)
専門用語が避けられない場合は、その場で短く言い換えを添えます。たとえば「サイトマップ(ページの一覧表)」「ドメイン(サイトの住所にあたる文字列)」のような形です。読み手が調べ直さずに読み進められることが優先です。
私たちについて・自己紹介のページ
経歴を年表で並べるより、次の順で書くほうが伝わります。400〜800字が目安です。
- 今この仕事で何をしているか
- なぜこの仕事を始めたか(一度だけ、短く)
- 仕事のうえで決めていること(例:見積り後の追加請求はしない、当日連絡は必ずその日のうちに返す)
- 顔写真か、店内の写真
「なぜ始めたか」は長くなりがちなところです。3〜4行に収めると、自分語りになりません。
お知らせ・ブログ
お知らせが2年前で止まっているサイトは、営業しているかどうかを疑われます。中身は業務連絡で十分です。
- 年末年始・夏季の休業案内
- 価格改定、メニューの追加
- 電話番号や住所の変更
- 受賞、取材、資格の取得
たとえば休業案内なら、「12月29日から1月4日まで休業します。期間中のお問い合わせフォームは受け付けており、1月5日から順にご返信します。」の2文で足ります。書けることがない月は無理に更新しなくてよいのですが、半年に一度は何か出しておくと状態が伝わります。
お問い合わせ
フォームの上に2〜3行あるかどうかで、送る側の心理的なハードルは変わってくるはずです。「いただいたお問い合わせには、平日24時間以内にお返事しています。営業のご連絡はご遠慮ください。」のように、返信の時間の目安と、扱わないものを書いておく形です。いつ返事が来るか分からないまま送信ボタンを押すのは、案外ためらうものです。
書き方で守ると読みやすくなる4つのこと
細かい技術は後回しでよいのですが、この4つは直した効果が自分でも分かりやすい部分です。
- 結論から書く:「弊社は創業以来…」で始めない。読み手が知りたい答えを最初の1〜2行に置きます
- 見出しだけ読んで意味が通るか:見出しを上から拾い読みして話が分かれば、本文も読まれます
- 具体的に書く:「豊富な実績」より「年間40件ほど」。数字が出せないなら状況を書きます
- 中学生が読める言葉にする:業界用語と敬語の重ねすぎが、読みにくさの主な原因です
もうひとつ、声に出して読んでみることをおすすめします。息が続かない文は長すぎるので、句点で切ってください。
よくある詰まりどころ
「書くことが何もない」と感じる
この状態のときは、自分で書こうとせず、人に話してください。家族や従業員に「うちって何をしている会社か説明してみて」と聞くと、自分では当たり前すぎて書かなかったことが出てきます。それをそのまま文字にすると原稿になります。スマートフォンの録音アプリで自分の説明を録って、書き起こす方法もあります。
自慢しているように見えるのが嫌
「すごい」と書くから自慢に見えます。事実だけを置くと、そう読まれません。「地域No.1の技術力」ではなく「同じ工法で年間40件、うち8割が紹介のお客様です」と書けば、判断は読み手に委ねられます。
どこまで正直に書いていいか分からない
できないことは書いておいたほうが、後の手間は少なくなるはずです。「10名以上の団体はお受けできません」「土日は施術のみで、初回のカウンセリングは平日です」といった記載があれば、条件の合わない問い合わせは向こうから避けてくれます。問い合わせの数より、話が進む問い合わせの割合のほうが大事です。
他社の文章を参考にしたい
参考にするのは問題ありませんが、コピーは避けてください。文章にも著作権があります。安全なのは、他社のページを見て「何の情報が書かれているか」だけを箇条書きにし、その項目に自社の答えを入れる方法です。表現ではなく、項目を借りる形です。
原稿を渡す前の最後の確認
制作会社に原稿を送る前に、次を見てください。
- 会社名・屋号・住所・電話番号の表記が、他の場所(名刺、Googleマップ、請求書)と一字一句そろっているか
- 価格に税込・税別が書いてあるか
- 「詳しくはお問い合わせください」だけで終わっている項目がないか
- 誰が読むかを一人思い浮かべて、その人が判断できる材料がそろっているか
原稿はテキストファイルかメール本文で、ページごとに分けて渡すのがおすすめです。どの文がどこに載るのかで揉めにくくなります。清書は不要で、箇条書きのメモの状態でも制作側で整えられることがほとんどです。
なお、書いてはみたものの自社の文章として合っているか判断がつかない、どこまで自分で用意すべきか分からない、という段階であれば、クリートークのチャットで相談してもらってかまいません。予算や依頼先が決まっていない段階でも、原稿だけ見てほしいという内容でも問題ありません。
最初から完成させようとしなくて大丈夫です。紙のパンフレットと違って、公開してから直せます。まずは、いちばん上に置く一文と、サービスひとつ分の説明。この2か所だけ書いてみてください。
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