ホームホームページ制作

小さな会社にホームページは必要か?「なくても回ってる」の落とし穴

2026年7月2日 公開

「うちみたいな小さな会社に、ホームページって本当にいるの?」——これ、すごくよく聞かれます。名刺と口コミでなんとか回ってるし、SNSもやってる。わざわざお金をかけて作る意味あるの?と。気持ち、めちゃくちゃ分かります。

先に結論から言いますね。多くの小規模事業者にとって、ホームページは「あった方がいい」傾向です。ただし「立派なやつを高いお金で」ではなく、「連絡先・何屋か・信頼できる証拠が載った、小さくてもちゃんとしたページ」で十分なことが多い。逆に、完全予約制・紹介制でネット集客をまったく考えていない、といったケースなら急いで作らなくても大丈夫です。この記事では、その「うちは必要?」を自分で判断できるように整理していきます。

そもそも、みんな作ってるの?という話

「小さい会社はまだホームページなんて持ってないでしょ」と思っていたら、ちょっと状況が変わってきています。

中小企業庁の資料では、ホームページを開設している企業の割合は、中規模企業で80.4%、小規模事業者で46.3%、従業員100人以上の企業で90.4%とされています。総務省の『令和5年通信利用動向調査報告書(企業編)』でも、開設率は93.0%。ただしこの93%は従業員100人以上の企業を対象にした数字なので、そのまま「街の小さなお店の9割が持っている」と読むのは誤解のもと。実態は、規模が大きいほど当たり前、小規模事業者はおよそ半分、というのが今の景色です。

海外の傾向も参考になります。米国の調査会社Clutchの調査(2018年発表)では、小企業のウェブサイト保有率は83%。面白いのが、「ホームページを持たない理由」のトップは"お金がかかるから"ではなかったこと。「自分の業界には関係ないと思っている」が最多(34%)で、コストを理由にした人は16%だけでした。作らない一番の壁は、値段じゃなくて「必要性を感じていない」なんですね。日本でも似た空気を感じます。

なぜ「あった方がいい」のか。理由は3つ

1. 来店・電話の前に、お客さんは検索する

ここが一番大きいポイント。今のお客さんは、行く前・買う前にスマホで検索します。米国のGoogleの調査では、地元のお店を訪れたり電話したりする前に、消費者の大多数がオンラインで下調べをするとされています。買い物客の行動を調べたInvocaの調査(2024年)でも、購入前にネットで調べる人は81%でした。

そのとき、あなたの会社の情報がどこにも出てこなかったら?お客さんは「ちゃんとした会社なのかな…」と少し不安になり、情報がしっかり出ている競合を選びがちです。もったいない。

2. 信頼の"見せ場"になる

スタンフォード大学のウェブ信頼性研究(Stanford Web Credibility Research)では、ユーザーの約75%が企業の信頼性をウェブサイトの見た目や内容で判断していたという結果が知られています(海外の研究です)。名刺だけ、SNSだけだと、どうしても「この人、本当に大丈夫?」の情報が足りない。事業内容・実績・顔写真・所在地・連絡先がまとまった場所があるだけで、安心感がぐっと変わります。

3. 採用にも効く

意外と見落としがちですが、求人でも見られています。日本のある調査では、「応募前に必ず企業ホームページを確認する」と答えた求職者は約78%。人を雇いたい会社にとって、ホームページは"面接前の第一印象"になっているわけです。

野村総研の調査では、ホームページを持つ企業(従業員一人あたり売上約360万円)と持たない企業(約260万円)で売上高に差が見られた、という報告があります。ただしこれは相関(一緒に起きている傾向)であって、「作れば売上が上がる」という因果を示すものではありません。ネットを活かせている会社ほど伸びやすい、くらいの温度で受け取るのがちょうどいいです。

じゃあ、逆に「今はいらない」ケースは?

正直に言うと、全員に急いで必要なわけではありません。たとえばこんな場合は、あわてて作らなくても大丈夫です。

  • 完全紹介制の税理士・士業など、既存の顧客とつながりで仕事が回っていて、新規をそもそも取っていない
  • 自由診療でも既存患者さんだけを診ているクリニックなど、新規集患を今は考えていない
  • 取引先が固定の下請け一本で、これ以上増やす予定がまったくない
  • Googleビジネスプロフィール(無料の店舗情報)だけで、今のところ困っていない店舗型ビジネス

ただしこの場合でも、Googleビジネスプロフィールは無料なので登録しておくと安心です。地図に店名・営業時間・写真・電話が出るだけで、「調べても出てこない」問題はかなり解決します。まずはここから、というのは十分アリな一手です。

下のチェックに1つでも当てはまるなら、ホームページを検討する価値ありです。

✅ かんたんチェック(当てはまるものは?)
気になる項目があればチェックしてみてください。

費用はどのくらい?「高い」は思い込みかも

「作るとなると何十万もするんでしょ?」——ここも誤解が多いところ。値段は「誰に頼むか」と「どんな内容か」で大きく変わります。目安を並べてみますね(あくまで内容次第の目安です)。

作り方費用の目安向いている人
自分でテンプレートで作る月1,000円前後〜(サーバー・ドメイン込みのサービスも)まず小さく始めたい人
フリーランスに依頼おおよそ10万〜50万円デザインも相談したい人
制作会社に依頼数十万〜、こだわると100万〜300万円ほど戦略から任せたい会社

価格差が出るポイントは主に3つ。①ページ数(1ページのランディングページか、5〜10ページの企業サイトか)、②WordPressなどのCMS(自分で更新できる仕組み)を入れるか、③写真撮影や原稿を頼むか、それとも自分で用意するか。原稿や写真を自分で支給できると、その分ぐっと安く収まります。

維持費も忘れずに。サーバー代(月500〜2,000円ほど)とドメイン代(年1,000〜3,000円ほど)、SSL(サイトの鍵マーク)が基本セット。たとえば月1,500円のサーバー+年1,800円のドメインといった構成なら、年間ではおおよそ2万円前後に収まるイメージです(サービスによって前後します)。更新を制作会社に任せると月1万〜3万円かかることもあるので、「自分で更新できる形」で作っておくと後がラクです。

それと、覚えておいて損しないのが補助金。ホームページ制作は「IT導入補助金」や「小規模事業者持続化補助金」の対象になる場合があり、費用の一部(内容により1/2〜3/4程度)が補助されるケースもあります。ただし対象要件や補助率は年度ごとに変わり、公募期間も決まっています。「IT導入補助金 公式」「小規模事業者持続化補助金 公式」で公式ポータルを確認し、地元の商工会議所・商工会に相談するのが確実です。申請には期限があるので、作りたい時期が決まったら早めに動くと安心です。

自分の条件だといくらくらいか、ざっくり試算してみましょう。

🧮 費用シミュレーター(あなたの場合は?)
作り方
ページ数: 5ページ
写真
文章(原稿)
費用の目安
¥0¥30,000

※ 一般的な相場からの概算です。実際の費用は内容・依頼先により変わります。

作るなら押さえたい「最低限これだけ」

凝ったサイトは要りません。小さな会社でも、この4つが載っていれば十分に役目を果たします。

1
何屋で誰に役立つかを一言で
2
サービス内容と料金の目安
3
実績・お客さんの声・写真
4
連絡先とお問い合わせ導線

イメージが湧きにくいと思うので、1ページサイトの中身を1社ぶん例にしてみます。

例:町田で個人宅向けの水道修理をしているお店
何屋か:「町田の個人宅向け水道修理。最短60分でうかがいます」
料金の目安:「出張費3,300円+作業5,500円〜(見積り無料)」
信頼の証拠:作業前後の写真、お客さんの声を2〜3件、代表の顔写真
連絡導線:画面の上と下に、大きな電話ボタンと問い合わせフォーム

特に大事なのが最後の「連絡先とお問い合わせ導線」。海外の調査では、小企業サイトの約70%が「次にどうすればいいか(電話・予約・問い合わせ)」を促すボタン=CTAをちゃんと置いていない、という指摘があります。せっかく見てもらっても、連絡方法が分かりにくいと逃してしまう。電話番号・予約ボタン・問い合わせフォームは、目立つ場所に置いておきましょう。

スマホで見やすくする3つのコツ

今はほとんどの人がスマホで見ます。Forbesの記事(2024年)では、探しているものが5秒以内に見つからないと61%の人が別のサイトへ移る、というデータも紹介されていました(海外の数値です)。難しく考えず、この3点だけ押さえればぐっと見やすくなります。

  • 文字は16px以上にする(スマホで読んでも小さくない大きさ)
  • ボタンは指で押せる大きさに(目安は44px四方以上。隣のボタンと近すぎないように)
  • 電話番号はタップで発信できる形に(tel:リンク。番号を長押しでコピー、ではなく「押したらそのまま電話」がベスト)
よくある質問
SNSは人とのつながりを作るのが得意ですが、フォロワー以外には届きにくく、投稿はすぐ流れてしまいます。料金や実績をじっくり見せる「拠点」としてはホームページの方が向いています。両方を役割分担させるのが理想です。

迷ったら、まずこの3手順から

「必要かどうか」で立ち止まっているより、手を動かすのが早いです。お金をかけずに今日できる3ステップを置いておきます。

  1. 自社名・サービス名でGoogle検索してみる。ちゃんと情報が出てくるか、古い情報しかないか、そもそも出てこないか。ここに現状が全部出ます。
  2. Googleビジネスプロフィールを登録し、店名・営業時間・電話に加えて写真を3枚追加する。無料で、地図と検索に出るようになります。
  3. 1ページのサイトを用意して、「何屋か・料金の目安・連絡先・問い合わせボタン」を載せる。まずはここまでで十分スタートになります。

大事なのは「立派さ」じゃなくて「調べたときにちゃんと見つかること」。いきなり完璧を目指さず、小さく作って少しずつ育てていけば大丈夫です。

順番としては、まずは無料のGoogleビジネスプロフィール → 必要なら小さな1ページサイト → もっと本格的にやりたくなったら見積り、と段階を踏むのが失敗しにくいです。デザインや文章を一から考える時間が取れない方は、専門知識がなくてもきれいなテンプレートから作れる「だれでもホームページ」も選択肢のひとつ。まずはどんな仕上がりになるか、のぞいてみるところからで大丈夫です。

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